水野健一郎展



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水野健一郎 Kenichiro Mizuno Solo Exhibition

「MICROFICTION 2014」

1月10日(金)〜 2月16日(日)

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水野健一郎は、自分の原風景であるとみずから語るテレビアニメのイメージにこだ
わり、それをさまざな手法とメディアで反復しながら再構成している作家です。作
家が原風景を再構成するのは、それが自分にとってどういう意味を持っていたのか
を探り当てようとする試みですが、水野の場合はそれにとどまらず、再構成によっ
て、二次元的な物語的風景、あるいは図像が持っている潜在的な可能性をどう引き
出すかという実験的なこころみでもあります。ただこの作家にとって実験とは、た
だ実験のための実験(方法のための方法)というものではなく、どこかで自分のカ
タルシスや解放感と接続する可能性を探るためのものであり、切実さを持ってます。
水野の作品が、一見すると無機的で抽象的な印象を与えながら、私たち内部の感情
や情動に触れてきて、ある親しみを感じさせるのはそのためです。現在、アニメに
触発され制作している作家たちが多いわけですが、これは稀なことで、この作家の
資質に加え、制作することの「切実さ」から生み出されているものだと感じます。

今回の展示は、時間のファクターを取り込んだ新作アニメーション制作へのプロセ
スを開示する作品群(ペインティング、ドローイング、アイデアスケッチなど)で
構成されますが、二次元平面とアニメーションが交錯して生み出される可能性を、
ちょうど作家の脳内を覗き込むような感覚で体験していただけるでしょう。
どうかご期待ください。

 







[ステーツメント]

私の作品は「自身の原風景であるテレビアニメの世界観を脳内で再構築し様々な手法
でアウトプットしたもの」と説明されてます。その「世界観」を明確にするために、
かつては既存のアニメをモチーフにしたこともありました(1999年~2005年)。
しかしそれは「引用」と紙一重であり、別の意味(誤解)を生んでしまいます。私の
目的は無意識にすり込まれた「影響」の作品化です。そのためにまずはモチーフとな
るアニメを自分で作ることにしました。物語のアイデアは1999年頃から書きためて
ます。その中から2012年にネーム(漫画のラフな下書き)として視覚化させた
『NININ』(ニニン/出会い系三部作第三弾)をアニメ化することを目指します。今
回の個展は、その物語の世界を想像し断片的に切り取った作品を展示します。言わば
『NININ』というアニメーションの存在を仮定したプレ創作展です。仮定の先に想定
される完成への過程を拡張し、パーソナル・リアリティーへと近づけるのです!

※物語について

雑念を排除するために物語を作ります。それは雑念そのものと向き合う行為でもあり
ます。私の場合雑念とは主に生き辛さから来るネガティヴなもの(怠惰、不安、恐怖、
嫉妬)なのですが、それを物語に変換することにより苦悩を客観視することができま
す。物語はいったんネームにし、最終的にはアニメ化します。しかしここではアニメ
ーションとしての作品は重要ではなく、目的ではあってもそれは副産物に過ぎないと
いう意識のもとで作業を進めます。これは純粋で切実な自分をあぶり出すためには今
のところ最も有効な手段なのです。

水野健一郎

 

[水野健一郎 Kenichiro Mizuno プロフィール]

1967年岐阜県生まれ。鳥取大学工学部社会開発システム工学科中退。セツ・モード
セミナー卒業。既視感と未視感の狭間にゆれるロマンチシズムを求めて自身の原風景
であるテレビアニメの世界観を脳内で再構築し、ドローイング、ペインティング、グ
ラフィック、アニメーションなど、多様な手法でアウトプット。
作品集『Funny Crash』(2009年)、『KATHY's "New Dimension"』(2011年)
をTOKYO CULTUART by BEAMSより刊行。美學校「絵と美と画と術」講師。
東北芸術工科大学映像学科アニメーションラボ非常勤講師。
マイファイ(仮)http://kenichiromizuno.blogspot.jp/

《主な展示》
1990年 『dessandle』gallery KAZE(2人展:水野健一郎/田中麻記子)
1997年 『TWILIGHT PICNIC』月光荘画室Ⅲ(第1回個展)
1998年 『SPORTS COMPLEX』渋谷ART WAD'S(第2回個展)
2001年 『カフェ展』リトルモア・ギャラリー(金森香企画グループ展)
2001年 『PAINT BY HAND』FUMIYART GALLERY(グループ展)
2002年 『PAINTING』DESPERADO(第3回個展)
2002年 『Radical Private Garden』eel's bed gallery(第4回個展)
2003年 『Colorful Cord Products!』リビングデザインギャラリー
(DRILL DESIGNとのコラボレーション展)
2003年 『PAINT BY HAND 2』SPACE FORCE(グループ展)
2004年 『Monsters in Pink』セレクトショップ“cannabis”内(第5回個展)
2004年 『NO WALL BETWEEN THE ART 2』EX'REALM(ADAPTER企画)
2004年 『high delicacy』CAMEL PLEASURE FACTORY
(3人展:水野健一郎/内田耕造/のりたけ)
2004年 『Out of Fantasy』リトルモア・ギャラリー(第7回個展)
2005年 『大KATHY展』リトルモア・ギャラリー(KATHYよりの指令)
2006年 『viewtiful』Gallery unseal
(3人展:水野健一郎/のりたけ/坂本トクロウ)
2006年 『fictions of life』cafe+kitchen tre(2人展:水野健一郎/今枝大輔)
2006年 『NO WALL BETWEEN THE ART』香港展(BEAMS presents)
2006年 『Parking PARK』エビスパーク(第8回個展)
2007年 『FOURTEEN』Revelations
(ADAPTER企画4人展:黒田潔/黒川知希/重松淳也)
2007年 『DEBLI Project Vol.1』ギャラリー・ルデコLE DECO(グループ展)
2007年 『オータムン』エビスパーク
(ライブペインティングユニットMUNによる3人展:水野健一郎/内田耕造/のりたけ)
2007年 『FUSION』カフェ・フラヌール(2人展:加藤豊とのコラボレーション)
2008年 『progressive』pict gallery(第9回個展)
2009年 『Deformatic Conversation』pict gallery(第10回個展)
2009年 『After Frenzy』TOKYO CULTUART by BEAMS(第11回個展)
2010年 『DEPARTURE』エビスパーク(第11回個展)
2010年 『ART FAIR FREE』VACANT
2010年 『あんた私に「好き」ってゆったけど私あんたのこと好きじゃないのって
言ったらあんた我慢してさそおゆうのって私好きじゃないの』
CULTIVATE(二艘木洋行キュレーションのグループ展)
2010年 『BEGINNING!BEGINNING!展』
(SUNDAY ISSUEオープニング企画)SUNDAY ISSUE
2010年 『ULTRA003』スパイラル・ガーデン(作本潤哉キュレーション)
2011年 『KATHY』TOKYO CULTUART by BEAMS(第12回個展)
2011年 『in the waitingroom』waitingroom(グループ展)
2012年 『マイクロフィクション』TAMBOURIN GALLERY(第13回個展)
2013年 『アニメーション』ガーディアン・ガーデン(第14回個展)
2013年 『最高記念室』TOKYO CULTUART by BEAMS
(アートユニット最高記念室による4人展:水野健一郎/我喜屋位瑳務/高松徳男/足立拓人)




 


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