3月


-----------------------------------------------------------

玉野大介展 「玉野大介という惑星」

3月17日(土)〜4月14日(土)

----------------------------------------------------------


「檻の中の杖」 2011

「ビジョン」 2011


玉野大介の第三回目となる本展は、玉野の新作、過去作40点以上を展示し、玉野大介という異能の作家の作品
世界に思う存分ひたっていただこうという企画です。

玉野の作品には具体的な形をとったさまざまな人、もの、機械、名前を持たぬ不気味なもの、宇宙人らしきも
のなどが混在して描かれていて、見る者はついそこに何がしかの物語を読み取れるのではないかという誘惑に
駆られますが、いつも挫折を味わうことになります。作品は物語を語るようでいながら同時にそれを拒否して
いて、私たちは作品の前で宙づりにされます。
作品には時間的にも空間的にも、異なった次元のものが同時に存在し、物語=文脈=意味は分断され、矛盾が
赤裸々に露呈しているのです。
その意味では、必ずしも方法として磨かれてはいないものの、玉野作品をシュールリアリズムの流れにあるも
のとして理解するのは的外れとは言えないと思います。

では何が玉野を突き動かしているのか。異なったものの同時存在、矛盾という特徴を手がかりに考えていくと
それは、少年時代からの記憶の再現という道を通りながら、現在にいたるまで私たちがその下に置かれている
戦後の欧米文化と日本文化の確執と矛盾をそのまま、いわば「証言」として表現しようとしているのではない
かということに思い至ります。それは60年代初頭に生まれた無垢な日本の少年が次第にこの軋轢や矛盾に巻き
込まれながら成長していく教養小説的過程と言えるかも知れません。

とはいえ、テーマは普遍的なものであるとしても、このような表現スタイルは玉野独自のものであり、他と隔
絶した作品世界を本展で「惑星」と名付けたゆえんです。ギャラリー空間いっぱいに展開される「玉野大介と
いう惑星」にゆっくり滞在していただき、その異化作用を体験いただければと思います。ご来駕をお待ちして
おります。


Previous page: 2月
Next page: 5月